選考の案内に「AI面接」と書かれていて、どのように進むのか、何を準備すればよいのか分からず不安になっている人もいるのではないでしょうか。人の面接官がいない面接は、経験がないと想像しにくいものです。
AI面接は、AIが質問を行い、回答の内容を評価する選考方法です。初期の選考段階で取り入れる企業が出てきており、就活中に一度は受ける可能性があります。人の面接とは違う難しさがあるため、受け方に慣れておくことが大切です。
この記事では、AI面接の仕組み、対人面接との違い、AI面接に臨むときの準備と、よくある疑問を解説します。
目次
AI面接とはどのような面接か

AI面接は、人の面接官の代わりにAIが質問を行い、回答の内容を評価する選考方法です。パソコンやスマートフォンを使ってオンラインで受けるのが一般的で、AIが学生の回答に応じて「そのとき、あなたは何をしましたか」のように追加の質問を重ねる対話型のサービスもあります。
あらかじめ決まった質問に答える様子を録画して提出する「録画面接」とは、受けたときの感覚が異なります。録画面接は一方的に話して終わりますが、対話型のAI面接では、答えた内容をさらに深掘りされる点が特徴です。
マイナビが2026年4月に2027年卒の学生に行った調査では、AI面接を受けたことがある学生は28.2%でした。受けた企業の数は平均2.0社で、約半数は1社だけです。初期の選考段階で取り入れる企業が多く、AIの評価を参考にしながら、最終的な合否は人が判断する運用をとる企業もあります。
AI面接と対人面接の違い

AI面接は、人の面接と比べて評価の仕方や受け方が大きく異なります。受ける前に知っておきたい主な違いは次の3つです。
評価の基準がそろいやすい
人の面接では、評価の観点が決まっていても、どの回答を高く評価するかの判断は面接官に委ねられています。質問の内容や深掘りの仕方も面接官によって異なるため、同じ学生でも面接官が違えば引き出される話が変わります。面接官との相性で合否が左右されると感じることを「面接官ガチャ」と呼ぶこともあります。
AI面接は、すべての受検者に同じ基準で質問と評価を行えるため、こうした評価のばらつきを減らす方法として期待されています。ただし、学生の受け止め方はまだ分かれています。Preferred Networks社が2026年9月に2027年卒の就活生308名に行った調査では、評価が「公平」だと思う割合は、対面面接が85.4%だったのに対し、AI面接は51.9%にとどまりました。
面接官の反応がない
AI面接には、相づちやうなずき、表情といった面接官の反応がありません。同じ調査で、AI面接を受けた学生が挙げた懸念や不満で最も多かったのは、「反応がなく、伝わっている感覚や話の引き際が分からない」(43.5%)でした。
人の面接では、面接官の反応を見ながら話を短くしたり、補足したりできます。AI面接ではそれができないため、話の長さや組み立てを自分で決めておく必要があります。反応がない分、かえって緊張するという人もいます。
また、話している間は画面上の自分の顔や残り時間の表示が目に入りやすく、気が散ることもあります。目線はカメラに向け、画面の表示はときどき確認する程度にとどめると、落ち着いて話しやすくなります。
日時や場所を選ばずに受けられる
AI面接は、決められた期間内であれば、自分の都合のよい日時に自宅などで受けられることが多い選考です。会場までの移動が不要なため、交通費や移動時間もかかりません。授業やアルバイト、ほかの企業の選考と予定を合わせやすい点は、就活が忙しい時期にはとくに助かります。
人の面接官を前にすると緊張して力を出し切れない学生にとっては、AI面接のほうが落ち着いて話せる場合もあります。一方で、社員と直接話す機会がないため、職場の雰囲気は説明会や二次面接以降で確かめることになります。
AI面接に臨むときの準備

AI面接は、人の面接と同じ準備に加えて、AIならではの受け方に慣れておくことが大切です。とくに次の4点を準備しておきましょう。
経験を「自分がしたこと」まで振り返る
対話型のAI面接では、回答に対して「具体的に何をしたのか」「なぜそう考えたのか」と追加の質問が続きます。学生時代の経験は、どんな課題があり、自分がどう考えて行動し、どんな結果になったのかの順で整理しておきましょう。チーム全体の成果ではなく、自分自身の役割と判断を言葉にできるかが大切です。
結論から話し、話す長さを決めておく
AI面接では面接官の相づちがないため、話の引き際が分かりにくくなります。最初に結論を述べ、理由と具体例を加えて1分程度で話し終えるなど、一つの回答の長さを自分で決めておくと、話が長引いたり途中で迷ったりするのを防げます。暗記した原稿を読み上げるのではなく、質問を最後まで聞き、聞かれたことに答えることを意識しましょう。
機器と通信環境を事前に確かめる
通信が途切れたり、マイクが音を拾わなかったりすると、回答が正しく伝わらないおそれがあります。受検の直前ではなく前日までに、使う端末とインターネット回線、マイクとカメラの動作を確かめておきましょう。練習用の質問が用意されているサービスであれば、本番の前に一度試しておくと、画面の見え方や話すタイミングに慣れることができます。
カメラ写りと身だしなみを整える
AI面接でも、画面に映る姿は面接官に会うときと同じように整えておきましょう。顔が暗く映らないよう、窓や照明を正面に置き、背景は白い壁など余計なものが映らない場所を選びます。服装は、企業から指定がなければ対面の面接と同じスーツが無難です。カメラの位置を目の高さに合わせると、自然な目線で話せます。
録画で自分の話し方を確かめる
AI面接に近い練習をするには、スマートフォンで自分が話す様子を録画するのが手軽です。相手の反応がない状態で話すことに慣れるうえ、録画を見返すと、話の長さや目線、声の大きさ、口癖など、自分では気づきにくい癖が分かります。自己PRと学生時代に力を入れたこと、志望動機の3つを1分程度で話す練習から始めましょう。
AI面接に関するよくある質問
AI面接について、就活生が迷いやすい点をまとめました。
Q. AI面接ではどんな質問をされる?
質問の内容はサービスや企業によって異なりますが、自己PRや学生時代に力を入れたこと、志望動機など、人の面接と同じ定番の質問が中心です。対話型のAI面接では、その回答に対して「なぜその行動を選んだのか」「結果から何を学んだのか」といった深掘りの質問が続きます。特別な対策をするよりも、自分の経験を具体的に話せるように整理しておくことが一番の準備です。
Q. AI面接だけで合否が決まることはある?
運用は企業によって異なります。AIの評価をもとに次の選考に進む人を決める企業もあれば、AIの評価や録画を人が確認して合否を判断する企業もあります。選考の案内に記載がない場合は、AI面接の結果がどのように使われるのかを採用窓口に問い合わせても問題ありません。
Q. スマートフォンで受けても大丈夫?
多くのAI面接はスマートフォンでも受けられますが、受検の案内で推奨される端末やブラウザを必ず確認しましょう。スマートフォンで受ける場合は、手で持たずにスタンドなどで固定し、カメラが目の高さにくるように調整します。受検中に電話やアプリの通知が入ると回答が途切れるおそれがあるため、通知を切り、充電を十分にしておくと安心です。
Q. 受検の期限ぎりぎりに受けても問題ない?
期限内に受ければ選考上は問題ありませんが、ぎりぎりに受けると、通信トラブルや機器の不具合が起きたときに対応する時間がなくなります。受検の案内が届いたら、期限の数日前までに受けられるよう、早めに日時を決めておきましょう。
Q. AI面接で何度もやり直すことはできる?
本番の回答は、多くの場合やり直しができません。練習用の質問が用意されている場合は、本番の前に試して操作に慣れておきましょう。通信トラブルで回答が途切れた場合は、慌てずに案内に記載された問い合わせ先へ連絡してください。
Q. AI面接でも表情や声のトーンは見られている?
何を評価の対象にするかは、サービスや企業の設定によって異なります。回答の内容だけを分析するものもあれば、話し方や表情を評価の材料に含めるものもあります。どちらの場合でも、明るい表情ではっきり話すことはマイナスになりません。人の面接と同じ意識で臨みましょう。
Q. 対人面接で面接官との相性が悪かったと感じたら?
人の面接官が評価する以上、受け止め方に差が出ることはある程度避けられません。1社の結果だけで自分の価値を判断せず、手応えがなかった面接は、質問と自分の回答を書き出して振り返りましょう。志望動機や自己PRの核となる部分を固めておくと、面接官や質問の仕方が変わっても一貫した受け答えができます。
AI面接は「反応のない場で話す練習」をしてから臨もう
AI面接は、AIが質問と評価を行う選考方法で、評価の基準がそろいやすく、日時や場所を選ばずに受けられる利点があります。一方で、面接官の反応がないため、話の長さや組み立てを自分で決めておく必要があります。
どちらの形式でも評価されるのは、自分の経験を自分の言葉で具体的に話せるかどうかです。
まずは学生時代の経験を「課題・自分の行動・結果」の順で書き出し、スマートフォンで録画しながら1分程度で話す練習をしてみてください。録画を見返して、話の長さと目線を確かめるだけでも、本番の話しやすさは大きく変わります。AI面接が予定されている場合は、前日までに機器と通信、カメラ写りを確かめておくと、当日は話す内容に集中できます。
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