書類選考は通過したものの、面接で「転職回数が多いようですが」と切り出されたらどう答えようかと、不安を抱えたまま準備をしている人は多いのではないでしょうか。経歴は変えられないだけに、何を言えば納得してもらえるのか見当がつかないものです。

転職回数が多いこと自体は、面接の答え方次第で十分に補えます。面接官が知りたいのは回数の多さの言い訳ではなく、「入社後に長く働いてくれるか」という一点です。事実を認めたうえで、これまでの転職に共通する軸と、応募先で長く働きたい理由を筋道立てて話せれば、評価は大きく変わります。

この記事では、面接官が転職回数の多い応募者に確認していること、答え方の流れ、経歴の状況別の回答例、「また辞めるのでは」という深掘り質問への返し方を解説します。

📖目次

面接官が転職回数の多い応募者に確認したいこと

転職回数について質問されるのは、それだけで不採用にするためではなく、採用後の不安を確かめるためです。面接官が見ているのは、主に次の3点です。

入社してもすぐに辞めないか

中途採用では、求人広告や人材紹介の費用、入社後の教育に時間とお金がかかっています。採用担当者がもっとも避けたいのは、採用した人が短期間で辞めてしまうことです。そのため、過去の退職理由が今回の職場でも起こりうるものかどうかを確認しています。

転職に一貫した理由があるか

転職のたびに業界も職種も変わり、理由もばらばらだと、仕事選びの軸がない人だと受け取られます。反対に、それぞれの転職に共通する目的があれば、回数が多くても計画的にキャリアを積んできたと評価されます。

転職を通じて何を身につけてきたか

複数の会社で働いた経験は、さまざまな業務の進め方や業界の知識を持っているという強みにもなります。面接官は、転職の経験が応募先の仕事にどう活きるのかを見ています。

転職回数について聞かれたときの答え方の流れ

転職回数についての質問には、次の3つの流れで答えると、短い時間でも面接官の不安に順序立てて答えられます。

事実を認め、言い訳から入らない

最初に「はい、これまで4社を経験しております」と、転職回数が多いことを素直に認めます。「申し訳ありません」と謝罪から入ったり、「前の会社の事情で」と言い訳から始めたりすると、自信のなさや他責の印象を与えてしまいます。

転職に共通する軸を示す

次に、これまでの転職に共通する目的やテーマを伝えます。「法人営業の幅を広げるため」「経理の専門性を高めるため」のように、一言で言える軸を用意しておきましょう。それぞれの会社で何を担当し、どんな力を身につけたのかを、軸に沿って簡潔に説明します。

退職理由そのものは、前向きな言葉に置き換えて話します。厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、転職した人が前職を辞めた理由として、男性は「給料等収入が少なかった」が10.1%、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が12.8%、「職場の人間関係が好ましくなかった」が11.7%を占めています。

こうした理由で辞めること自体は珍しくありませんが、面接ではそのまま伝えず、「成果が評価される環境で働きたい」のように、次の職場で実現したいことの形で話しましょう。

応募先で長く働く理由で締める

最後に、なぜ応募先では長く働けると考えているのかを伝えます。これまでの転職で求めてきたものが応募先にはそろっていること、応募先で実現したいキャリアがあることを具体的に話すと、面接官の「また辞めるのでは」という不安に直接答える形になります。

転職回数が多い人の面接の回答例

ここでは、経歴の状況別に回答例を紹介します。いずれも「事実→共通する軸→応募先で長く働く理由」の流れで構成しているので、自分の経歴に置き換えて使ってください。

同じ職種でキャリアアップしてきた場合

これまで3社で法人営業を経験してまいりました。1社目では新規開拓、2社目では既存顧客の深耕、3社目ではチームリーダーとして5名のメンバーの育成を担当し、営業として必要な経験を段階的に積むことを目的に転職してまいりました。貴社では、これまでの経験を活かして営業組織のマネジメントに携わりたいと考えております。長期的に組織づくりに関わることが私の目標であり、貴社で腰を据えて取り組みたいと考えております。

異なる職種を経験してきた場合

販売、営業事務、カスタマーサポートの3つの職種を経験してまいりました。職種は異なりますが、いずれもお客様の困りごとを聞き取り、解決につなげる仕事だという点で共通しています。さまざまな立場からお客様と接してきたことで、お客様が本当に求めていることを的確につかむ力が身についたと考えております。貴社のカスタマーサクセス職は、これまでの経験をすべて活かせる仕事だと感じており、長く専門性を高めていきたいと考えております。

短期間での退職が含まれる場合

2社目は入社から10か月で退職しております。入社前に業務内容を十分に確認しないまま転職を決めてしまい、希望していた企画業務に携われる見込みがないと分かったためです。この経験から、転職先を選ぶ際には業務内容や配属先について事前によく確認するようにしております。貴社については、求人票に加えて社員の方のインタビュー記事で配属予定の部署の業務内容を確認し、自分の経験を活かせると確信したうえで応募いたしました。

短期離職について話すときは、自分の判断の甘さを認め、そこから何を学んだかまで伝えるのがポイントです。会社のせいにする話し方は避けましょう。

契約社員や派遣社員の期間満了で転職が多い場合

職歴は5社になりますが、そのうち3社は派遣社員として、契約期間の満了にともない次の職場へ移ったものです。いずれの職場でも経理事務を担当し、月次決算や請求書の発行など、会社ごとに異なる業務の進め方を経験してまいりました。今後は正社員として一つの会社で長く働き、決算業務まで担える経理の専門性を身につけたいと考え、貴社に応募いたしました。

雇用形態の都合による転職は、本人の意思による退職とは受け止め方が異なります。契約期間の満了であることを明確に伝え、職務経歴書にも雇用形態を記載しておきましょう。

家庭の事情など本人以外の理由が含まれる場合

4社を経験しておりますが、2社目から3社目への転職は、家族の転勤にともなう転居が理由です。現在はその事情も落ち着いており、勤務地や勤務時間の面で働き方に制約はございません。これまでの事務経験を活かし、貴社で長く勤めたいと考えております。

家庭の事情を説明するときは、詳しく話しすぎる必要はありません。その事情が今は解消していて、仕事に影響しないことを伝えれば十分です。

「また辞めるのでは」という深掘り質問への返し方

転職回数が多い応募者には、定着性を確かめるための深掘り質問が続くことがあります。よく聞かれる質問と回答例を紹介します。

「今回の転職を最後にできますか?」

はい、そのつもりで応募しております。これまでの転職で、営業としての経験の幅は十分に広げることができました。今後は一つの会社で長く働き、マネジメントの経験を積むことが目標です。貴社では入社後3年でチームを任せていただける可能性があると伺い、長く働くうえでの目標も持てると感じております。

「はい」と答えるだけでは説得力に欠けるため、長く働けると考える根拠を応募先の特徴と結びつけて話しましょう。

「入社後に合わないと感じたらどうしますか?」

まずは上司に相談し、自分にできる改善がないかを考えます。これまでの転職を振り返ると、悩みを一人で抱え込み、相談せずに退職を決めてしまったことがありました。今は、不満や迷いがあれば早めに周囲に相談し、職場の中で解決できる方法を探すようにしております。

過去の自分の課題を認め、今はどのように行動を変えているのかを話すと、同じことを繰り返さないという姿勢が伝わります。

転職回数について面接で避けたい答え方

次のような答え方は、転職回数の多さ以上にマイナスの印象を与えてしまいます。

前職の不満や悪口を並べる

「上司と合わなかった」「会社の方針がおかしかった」と前職の不満を並べると、面接官は「うちの会社でも同じ不満を持つのでは」と考えます。事実として伝える必要がある場合も、自分がどう対応したか、そこから何を学んだかに話の重心を置きましょう。

職歴を省いたり、ごまかしたりする

短期間で辞めた会社を応募書類から省いたり、面接で話さなかったりするのは避けましょう。入社手続きで提出する源泉徴収票や雇用保険の書類から前職が分かることがあり、職歴を偽っていたと判断されると、内定の取り消しや解雇の理由になるおそれがあります。

すべての転職を時系列で長々と説明する

1社ずつ入社から退職までの経緯を説明していくと、話が長くなり要点が伝わりません。転職回数についての回答は1分程度を目安にし、面接官から個別の会社について質問されたら詳しく答えるようにしましょう。

転職回数が多い人の面接に関するよくある質問

転職回数が多い人が面接の準備をするときに、迷いやすい点をまとめました。

Q. 転職回数は何回から多いと思われる?

何回から多いと受け取られるかは、年齢によって異なります。パーソルキャリアが2018年12月に採用担当者103人に行ったアンケートでは、20代の応募者は「3回目から選考に影響する」が28.2%ともっとも多かった一方、30代と40代では「転職回数は選考に影響しない」がもっとも多い回答でした。

同じ業界・職種で経験を積み重ねてきた場合は、回数が多くても問題にならないことがあります。回数よりも、1社あたりの在籍期間と転職の一貫性が見られていると考えておきましょう。

Q. 転職回数を聞かれる前に、自分から話したほうがいい?

自己紹介や職務経歴の説明の中で、転職に共通する軸を先に伝えておくと、面接官が転職回数に感じる不安を早めに和らげられます。ただし、聞かれてもいないのに退職理由を長く説明する必要はありません。

Q. 応募書類で工夫できることは?

職務経歴書は、会社ごとに時系列で並べる形式だけでなく、職種やスキルごとにまとめる形式にすると、転職回数よりも経験の積み重ねが伝わりやすくなります。履歴書の証明写真も、第一印象を左右する要素です。面接での説明に説得力を持たせるためにも、清潔感のある身だしなみで撮影した写真を使いましょう。

転職回数の多さは「共通する軸」と「長く働く理由」で補おう

転職回数が多いことを面接で聞かれたら、事実を素直に認め、これまでの転職に共通する軸を示し、応募先で長く働きたい理由で締めくくります。面接官が知りたいのは回数の言い訳ではなく、入社後に定着してくれるかどうかです。

面接の前には、自分の転職に共通する軸を一言で言えるように整理し、短期離職がある場合はそこから学んだことまで準備しておきましょう。回答例を自分の経歴に置き換えて声に出して練習しておけば、深掘りの質問にも落ち着いて答えられます。

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就活写真.com編集部

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